NPO法人 海事・水産振興会 / NPO Maritime and Fisheries Promotion Society
アワビの天然資源が減っているため、産地ではアワビの子どもを放流する事業(=
種苗放流事業)が行われています。しかし、現在のように種苗を育てる技術は1800年代からはじめられた長年にわたる研究の成果です。さまざまな努力により、現在は全国の種苗法流量はおよそ3千万個にもなります。
しかし、より効率的な種苗放流事業への要求は常にあり、現在もさまざまな研究が行われています。その研究成果の一つがアバロン・タグです。
現在の栽培漁業の一端を担うアワビ種苗の大量生産技術が確立した結果、アワビ種苗の全国放流数( 1981 ?? 1987 )は、1981年の12、500千個から年々増加して1987年には、23,000千個に達しました。1987年の放流数を種類別に見るとエゾアワビが最も多く56%、ついでクロアワビが32%、マダカとメガイが合わせて10%、トコブシとフクトコブシが3%でした。
人工種苗生産(放流用)は行政で公共事業的に行われているほか、漁協の自主事業としても行われています。
アワビの種苗生産事業はかつて水産試験場で行われていましたが、最近では水産振興公社などに移管されて、公益的な事業として行われる地域が増えてきました。
人工種苗は希望する地域の漁業組合に有償で配布されます。一般的には、資源管理を目的とした放流に使用する場合に限って自治体等の補助金が支給され、養殖事業用としては実費のままの価格になる場合が多いようです。
漁獲可能な殻長に達するまでに少なくとも4年を要するアワビ類の増産には,現在でも養殖事業よりも天然の生産力を利用する増殖事業にその主力が置かれています。近年減産の著しいアワビの生産量を向上させるために,全国的に増殖を目的とした種々の対策が講じられていますが,大別すると漁場造成・漁業管理などの増殖的事業と健苗育成・大量放流など生物生産に関する事業の2方面から取り組まれています。
現在、減少した漁獲量を補うために多くのアワビ生産国において養殖が盛んに行われるようになりました。
その例として,中国、韓国、ハワイのエゾアワビ,台湾のトコブシなど、すでに日本にも少なからず輸入されています。
また,南ア・オーストラリア・チリなどにおいてもアワビ養殖が行われています。特にチリにおいてはもともとアワビを産しない国であるのに、ロコ貝を日本に輸出していたこともあり,鮭の海面養殖の技術を流用して,エゾアワビ・アカネアワビなどの養殖を始めて,輸出産業として成果を上げています。
日本においても,北海道・岩手・宮城などエゾアワビの養殖に続き各地でアワビ養殖の事業化が検討されています。
監修・資料提供:小池康之(元東京海洋大学助教授)