NPO法人 海事・水産振興会 / NPO Maritime and Fisheries Promotion Society
アワビ漁にはさまざまな方法があります。
アワビ漁業は漁法が比較的容易であることから乱獲に陥りいやすいと言われています。このため、各都道府県の漁業調整規則によって、漁期や漁獲サイズなどを規制し、さらに各地先組合においても独自に規制を強化し、資源の保全に取り組んでいます。
近年のウエットスーツの普及は作業時間の延長や,寒冷期の操業を可能にするなど貢献度が高いが,過剰漁獲につながるため操業時間や漁獲量などの制限があります。
暖海域のアワビ類(クロ・メカイ・マダカ)は産卵期が10月??12月であるため,潜水漁は春水温が上がる4月中旬に開始され,繁殖期前の9月中旬頃に禁漁になります。そのため,秋から冬場に出回るクロ・メカイ・マダカの3種類は春から夏に漁獲されてこの時期まで畜養されたものと考えられます。
東北地方などの寒冷地では潜水漁よりも見突きと呼ばれる水面からのかぎなどで漁獲する漁法が発達しました。宮城・岩手地域のエゾアワビは産卵期が8月後半から10月なので,その後の11月から漁獲が解禁されます。
最も多く使われる「磯がね」は地域により形が決まっています。これは伝統的な鍛冶屋の伝承技術が生かされた結果であり、この形によって海士漁師の移動の歴史をたどることも可能です。たとえば千倉や布良あたりの磯がねの形は和歌山県の白浜あたりの形とよく似ていますが,アワビ漁で古来より有名な三重県の国崎地域の形とは共通点がありません。
見突き用の銛や鈎は水面の漁船から使用するため,時には4メートルに及ぶ長い柄が付けられています。この漁では小舟の艪を足で扱いながらのぞきめがねで海底の獲物を探して漁するため,大変な熟練が必要です。
かつて千葉県のある漁場で海士20名による3時間の素潜り漁で約1トンの漁獲量が記録されています。単純計算で、海士一人当たり50kgの漁獲量です。これは普段禁漁区として保護された海面を1年に1度だけ解禁した時の結果です。アワビの漁期中、数ヶ月にわたって解放されている一般漁場ではこのような漁獲量は望めません。資源管理の行き届いた漁場でこそこのような結果を上げることが可能となります。
監修・資料提供:小池康之(元東京海洋大学助教授)